「屁放き爺さんスケベ談義」巻5-2

  真聖女王{在位:八八七年〜八九七年。は、始めて朝鮮半島を統一した新羅王朝の女王で、朝鮮半島でも三番目で最後の女王である。当時、新羅王室は近親婚が多く、子のない王が続き、王位継承範囲と定められる真骨{王族}に男性が無く、彼女が即位せねば為らなかった。
  真聖女王が以前の女王二名と違う点は、善徳、真徳の二人の女王は結婚もせず、愛人も持たず、一途に国家の発展に尽くしたのと違って、彼女は"女で在る”事を捨て切れ無かった。女王で在るよりも人間、一人の女で在った。

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  「三国史記」の記載によると、真聖女王は角干の魏弘と通じ、即位すると同時に魏弘を入内させ、魏弘が卒すると「恵成大王」の名を贈る。その後、少年美丈夫二三名を密かに宮中に引き入れて情交を楽しみ、彼らを要職に就けて国政を委ねた。
  ドラマ「太祖王建」では、"恋の相手、魏弘は実の伯父で、彼女とは大きな年の差が在った。史書の述べる"彼女の即位後一年で卒する”のも納得される。ドラマでは交情中に死すと為っている。
其の後、彼女の恋の相手の美少年達を筆頭に奸臣が国家の権力を掌握し、賞罰が蔑ろにされ、賄賂が横行して官職が売買される等、中央政界の規律が崩れて仕舞う。更に、地方の豪族が恣に、民に重税を科して国内は大混乱に陥るのである。其れに加えて女王自身の贅沢は已まず、国庫は空に為って王室の権威は大いに失墜する。斯くして各王朝が滅亡時に見せる断末魔に新羅王朝も陥り、各地に義軍が蜂起し、反乱が続発して「後三国時代」の幕が開けられるに至るので在る。
治世十一年目{公元八九七年}にして、真聖女王は、"盗賊の蜂起するは、此れ孤の不徳の致す処也”と太子・孝恭王に譲位し、この年の十に月に金城{慶州}の北宮で死去する。 真聖女王の後継となった太子孝恭王の後、五代の王を経て公元九三五年に新羅は滅亡する。
  真聖女王は新羅を直接、滅ぼした最後の女王ではないが、国力を失いつつ在った新羅王朝に決定的な滅亡を来したのは彼女だったと云える。

”韓国新羅王国を滅亡に導いた女王様

「近親恋愛」巻二

ー女を捨てきれなかった女王ー

情夫は伯父さんだった

  筆者按:「真聖女王の弁護」:「骨品制」という近親婚、近親恋愛がもたらした弊害が新羅王朝を衰退させたとも云い得る。真聖女王も、その被害者の一人と云えなくはない。史書には"素行が悪く、淫乱な女王”というレッテルが貼られる真聖女王では在るが、恋と情欲、贅沢に逃避する以外に逃げ場の無い、哀しい女王で在ったかも知れない。彼女自身は"為りたくて為ったんじゃ無い”と叫びたかったかも知れない。女王として生きる事が出来ず、一人の女の儘で最期を迎えて"ホッ”としている哀れさを感じるのである。千年という新羅の長い歴史に大きな汚点を残した女王で在ったとも云えなくは無い。

  因みに、朝鮮半島には、此の「真聖女王」と現代の大統領「朴槿惠」女史を含めて四人の女王が出現する。真聖女王以外の三人の女王は国事に忠実で国を栄えさせようと努力をした。共に独身で在ったが真聖女王だけは女王に成り切れず、生涯を愛と情事に費やした哀しい女性で在った。