些か、酔って候う。
元日から朝夕、朝酌晩酌に浸っている。伏見は酒処で在る。酔っ払って都の新年を迎える事が出来た。都の酒で酔っ払うのは好い事??否、喜寿の祝い酒として大目に見て頂戴ね。 正月3日
坂本龍馬とお龍さんのハネムーンは、不倫旅行だった??
船宿寺田屋は幕末、様々の事件の舞台と為った処で多くの小説が此の船宿を有名にした。坂本龍馬が幕吏に襲われ、深手の傷を受けたが薩摩屋敷によって救い出されたという事件。此の時、入浴中のお竜さんの素っ裸の急報と、長州藩から用心棒として派遣されていた三好愼蔵と云う槍の名手の働きで龍馬は逃げ果せた。
この事件の後、寺田屋の女将お登世の養女と為っていたお竜さんと龍馬が西郷隆盛の勧めで薩摩の霧島への傷治療旅行が、日本初の新婚旅行で在ったと言われる。此の旅行で龍馬は、霧島岳の山頂に立てられていた天の坂矛を引っこ抜いたと物語られる。天の坂矛は、天照大女神から譲られて、高天原から降り立った霧島の峰に、国の主の標としてニニギの命が立てたものと云われる。
しかし、日本初の新婚旅行は有り得ない。何故なら、龍馬の妻は江戸北辰一刀流の始祖千葉周作の弟定吉が開く神田桶町の千葉道場の娘、千葉佐奈さんで在ると云う。そうとすれば、この旅行は龍馬とお龍さんの不倫旅行と為るが、真相は藪の中で在る。
因みに佐奈さんとの婚約は、土佐の龍馬の実家で認められていた事実で在ると云う。当時の結婚は家と家の結縁で在った事を考えると、龍馬の奥様は佐奈さんという事に為る。お龍様には申し訳ないが、彼女は愛人という事に為る。
「咲いた桜に 何故駒繋ぐ、駒が嘶きゃ 花が散る」は龍馬事件に先立った事件で、多くの薩摩藩の過激藩士が島津久光の命令で斬られた事を傷んだ龍馬の俗歌、都々逸で在る。 平成29年1月7日(土、晴)
仲良し、こよし
「そや!京都へ引っ越そう・・・」巻三
初恋の女から電話を貰った。
二日夕、初恋の女性から電話を頂く。其の女性は、初めて社会に出て就職した会社の同じ課に居た、筆者が初めて接した大人の女性で其れ迄、恋の経験等、無かった筆者は忽ち、恋心を抱かされた魅力一杯の美女で在った。その彼女から「京都にいらっしゃったの?」と電話を貰った。「美人だったが、婆さんに為ったんだろうなあ」と自分の老いを忘れて若かりし日を想い出す。
更にまた、翌日の三日の午後には、福岡時代に可愛がって頂いて好く、お宅にも伺った上司の奥様・古沢君江女史からの電話で在った。聴くと、旦那様を亡くして娘さんと二人で京都にマンション暮らしをしていると言う。彼女もお婆さんに為ったんだろうが、娘さんも好い年齢で在ろう。否、40歳は過ぎているんじゃないか??余り、詮索せんといてや」と言うだろうなあ。
其れにしても、電話に懐かしい声を連続で聴く事が出来た。今年は想い出にひたる、好い年で在ろうか?? 正月4日
一杯一杯復一杯
ー飄逸白文の京都はんなり歌草紙ー 第一編
喜寿を迎えてふと、思った事。
古今和歌集の喜撰法師の歌に誘われ、憧れの京都に越して来たのは昨年、11月の末の事で在った。京都引越の翌日に頂いた「敬老パス」を有り難く利用させて頂いて、師走の京都を爺さんと婆さんが飄々と彷徨い歩いている。
ほんまに京都は仏様や神様が沢山、居らっしゃる。其れ等の神仏様方が「終い何とか??」と一年を納められる行事を催される。京都に引っ越して間の無い我々、田舎者の爺さんと婆さんを誘って呉れ、その誘いに抗いもせず、喜んで乗っているのが筆者夫婦の師走の一ヶ月で在った。この一ヶ月はダイアリーエッセー「瓢逸白文の京都はんなり歌草紙」の第一編、「そや!京都に引っ越そう」で紹介させて頂いた。弥次喜多じゃないが、田舎者の爺婆の都見物で在った。
年が改まったので、気分も新たに「瓢逸白文の京都はんなり歌草紙」も新しいページを建てて出発しようと思う。次号からの第二編は「そや!京都に引っ越したんや・・・」と京都に棲ませて頂く悦びを題して、爺婆の京都の日々を書き連ねまた、文句や語言の三十一文字を書き集めて和歌と自称するものを詠み続けたい。
今年は筆者に取って喜寿の年に為る。此の点も、今までのだらだら人生を省みて心を改め、此の世から消え去る準備をしなければ為らないかも知れない。
平成29年1月元旦
御香宮の「七草がゆ」供養と学友の想い出
御香宮の七草粥の供養と接待を頂く。拝殿前に香水が湧き出てをり、水の湧き出し口が二槽ある。湧き水を濾過した水と湧き出した儘の水で在る。看板に「濾過しない水は飲まず、濾過した水をお飲み下さい」と書かれていたが、私は未濾過水が味わい深く、美味で「伏見」の語源「伏し水」と呼ぶに相応しいと感じた。
伏水なる 御香宮の 七草粥 供養の若水 妻と口濯ぐ
御香宮にはマスター会の思い出がある。マスター会とは筆者らの大学同学会の会名で在る。何時の事だったか?加藤君の奇行が懐かしい。其れは、小堀遠州所縁の石庭に面する座敷に深く眠る彼の眠りを妨げては・・・と皆、離れ座敷で喋っていたら、俊ちゃんの携帯呼び鈴が鳴った。加藤君からだという。彼は今、近鉄桃山駅に居て「お前等、何処に居る?」と言う。「皆、御香宮に居るよ」、「ええっ!」。どうも彼は寝惚けて、「皆が先に行った」と思ったらしい。「其処に居れ。今行くから」と慌てて彼を追って近鉄桃山駅に急いだ。「何で、俺等はお前を放って行くの?そんな事より何で、桃山駅に慌てて走ったの??」・・・大笑いのマスター会余談で在る。
余談は未だ、続く。近鉄電車に全員乗ったが、加藤君の姿が見えない。皆、慌てて電車を降りた。彼はホームに佇っていた。聞くと、「トイレから帰ったら皆が居ない。電車が停まっていたが乗ってまた、迷子に為っては・・・」と。「お前、未だ寝惚けてるんか?」は足立君の声。またまた、大笑いの近鉄桃山駅のホームで在った。懐かしい学友達との想い出の寺田屋見学と伏見界隈、運河畔散歩で在った。 正月7日(七草がゆ)
(都の辰巳に棲まいして・・・・)