「屁放き爺さん折節のお噺」巻三の2

ー従軍慰安婦発言に想うー

先日

  最近、大阪市長の橋下徹氏の「従軍慰安婦容認発言」や、参議院選挙に大勝した安倍信三首相の憲法改正?の動き、"過去の戦争責任を謝罪する村山談話や河野談話の方針を否定して日本の恥辱を許容する”かの如き発言と国会答弁或いは、"大量の閣僚による靖国神社参拝”、其れを是認して居直る安倍総理の言動、ヒトラーやナチスを賛美するかの如き麻生副首相の憲法改悪講話等々、「右傾化する日本」と云う表現が当て嵌まる昨今の日本の政界である。

「折節のお噺」3-3”異郷で父と遭う”
(orifusi3-3)へのリンク

”与太郎戦記”

  此のホームページの「屁放き爺さんエロ話」第三巻に、古代ギリシャを含むオリエント社会では「豊穣の女神に捧げる神事として、女性達による神殿売春が行われていたと記した。
  つまり、「古代ギリシャの歴史家ヘロドトスによると、新バピロニア王国では「神殿売春」が行なわれていたという。また、メソポタミア文明、最初の統一国家、シュメール王国{公元前3100年頃〜公元前2000年頃}では既に「聖婚」或いは「神殿売春」と呼ばれる愛の女神に捧げる神事が行われていた。但し、此の時代の「神殿売春」は豊穣と多産を祈って女性達が女神に捧げる奉仕活動?慈善的な無報酬売春で在った。  しかし・・・・。ヘロドトスが描いた新バビロニア王国時代の「神殿売春」では、奉仕の精神は消え去って男性に身体を提供する女性は、金銭の報酬を受けるものになっていたという。バビロニアの女たちは誰でも一生に一度は、女神ミュリッタの神殿で男なら誰にでも、身を任さなければならない事が制度化された売春で在った云々。

  しかし、軍や国家が関与した強制売春[「従軍慰安婦売春は「神殿売春」とは趣を異にする。為る程、相手を選べない点は同じで在ろうが、「神殿売春」行為は神に奉仕活動で在り、豊穣と子宝を得る為の祈りの行為で在る。女神に祈る自主的な信仰行為で在る以上、「従軍慰安婦」とは全く、異なると想うし、二千年以上も昔に神の名によった売春が行われたとしても、「従軍慰安婦」売春が許される事には為らない。

  映画「与太郎戦記」は喜劇でこんな滑稽な場面も・・・、従軍慰安所の風景を彷彿させると思うので紹介する。主人公の二等兵は、次が順番という時に使役で呼び戻される。"もうちょっと待って呉れや、次やがな・・・”と為るが、前線の従軍慰安所は此の様な風景であったのであろうか?それにしても、慰安婦さん達は一度の務めで何人の兵隊さんのお相手をさせられたのであろうか??とんでもない恐ろしい光景である。
  橋元氏や安部首相は国民の多くが反対をしている憲法九条に規制される戦争禁止条項を廃止してまで此の悲劇、戦争の惨劇を繰り返そうと云うのであろうか???事実、安倍晋三は“戦後レジームからの脱却”を唱え、今の日本の基本的枠組みは米国や連合国に押しつけられたもので、時代の変化について行けず、憲法改正等、多くの改革を行うと云う。また、政府の御用学者や御用作家等は、甘えた声の安倍晋三の尻馬に乗って、とんでもない発言を繰り返している。

  或る作家などは、東京や大都市爆撃、原爆投下は米国による、大虐殺で在り、日本軍による「南京虐殺」は”事実無根で在り、蒋介石のでっち上げだ”とまで言い出す始末である。
  幾ら、言論は自由だと言っても少し、考えてものを云って欲しいと思う。

  落語の大看板、故春風亭柳昇師が著した小説を映画化した映画「与太郎戦記」の一場面を思い出した。所謂、異国の前線で従軍慰安婦の情けを買わんとする沢山の兵隊さんが順番を待つ長い行列で在る。兵隊さんたちはカード(おそらく慰安婦を買う為のカード)を手に慰安婦から与えられる情けを得る順番が来るのを今や、遅しと行列を作って待つのである。彼らのカードの枚数が従軍慰安婦の女性たちの収入に為るので在ろうか?慰安婦がお相手をする速成の筵で囲われたお粗末な小屋の入り口には下士官殿(伍長か曹長?)が時計を持って時間を計り、時間が来ると"はい、お終い”と大声で小屋の中に知らせる。慰安?して貰い、情けを発散させ終えた兵隊さんが出て来て、次の兵隊さんが入って又、慰安を・・・。
  こうして沢山の兵隊さんを相手に従軍慰安婦の戦闘が遂行されるのである。

  「従軍慰安婦」、国家の汚点を残す歴史である。"証拠が見付らないから、国家として補償や謝罪はする必要は無い???”。完全なる開き直り、居直りとしか感じられ無い発言。敗戦とは国が戦争に敗れる事で在る。軍が壊滅するだけでなく国家が滅ぶ事なので在る。今までの価値観が無くなるのである。斯かる時に汚点、其れも厳罰に処されかねない犯罪に関連する証拠や書類を担当官は残すであろうか??今の平和な世に在っても、都合の悪い証拠品や文章は抹消し、焼却する。軍や中央官庁、地方役所迄もが、従軍慰安婦に関係する文章や証拠品のみ為らず、機密文章や不都合な証拠を隠し、焼却したに違いない。或いは未だ、お役所の地下深く隠れているかも知れない。