「屁放き爺さん折節のお話」巻一

「折節のお噺」巻一の2”上海の老舗街を彷徨う”(orifusi1-2.html )へのリンク

放屁き爺さん折節のお話」巻一は、「中国触れ合い街歩き」と題して筆者が中国旅行で経験した楽しい思い出や面白い失敗談を追々と紹介しようと思っている。どうか、お付き合い頂きたい。

各地から此の空港に戻って来て「出国」という印字をパスポートに押して貰ってそれぞれの棲まいに帰るのである。当然、行き帰りに立ち寄らなければ為らない上海が安心感と親しみを覚える身近な街となる。
  上海の街は、地下鉄網が完備されていて何処に行くにしても手軽に行けるし、「適当に」という一句を必ず頭に付けなければ為らないが、中国の他の街に比べると清掃が行き届いている小綺麗な街並みや、適当に衛生的な餐店、中国のファッション界をリードするブテイックが立ち並ぶ遊歩道や、高層ビル、超高層の塔の景観は外国人に限らず中国人にとっても憧れの街で在る。
  筆者は此の無理矢理、作った中国渡航の機会を利用して上海の老舗マーケットロード「福州路」を彷徨っては、何軒かある古書舗で「一斤(五百グラム)当たり18人民幣(円貨240円前後)で売られている目方売りの古書や、「特折」と朱字で書かれた大安売りの古典古書を手に入れる。古書とは云え、新書同然の現代中国語で書かれて句読点を附された古典の原書が多い。古書舗の大机には、人々が弄くり返す為に乱雑に・・・としか言い様の無い積み上げられ方をされた沢山の古書を引っ繰り返しては気に入った或いは、珍しい古書を見付け出すのは楽しい重労働である。又、或る時には七階建ての大書舗のエスカレーターを昇り、現代中国語に翻訳?された古典や絵画集を立ち読みしては購い、芸術専門店では歴史に名を残す名筆家や現代の秀筆家達の画集や墨蹟輯等が並べられた書棚から気に入った書籍を引っ張り出すのである。斯くして手に入れた古書や新書、画集等々が詰め込まれて、鞄いっぱいに・・・”と言うと少し大袈裟であるが、ずっしりと重くなった鞄を引き摺って日本に帰るのである。筆者は、此の中国書籍の買い出しツアーを「平成遣唐使の唐土ツアー」と名付けて外国人が独りで見知らぬ街を彷徨く事を心配して呉れる美女達の親切心?友人達の友情?を他所事に、「上海触れ合い街歩き」を楽しむのである。

「中国触れ合い街歩き」(1)

ー上海の老舗街を彷徨う(巻1)

  筆者は機会を見付けては中国を旅する。其の機会も無理矢理に作る感の無きにしも非ずで在る。大阪の都島という正に、「大阪のオバハン」が幅を効かせる下町で、岸和田生まれの「大阪のオバハン」そのものの母の元で少年期を過ごした経験や、人見知りをしない性格が中国のゴチャゴチャした余り、清潔な・・・とは言い難い街並みや喧噪、路地を行き来する人の多さが筆者を使て、少年期に育った街並みを懐かしく思い出させて「中国触れ合い街歩き」の旅に出掛け様という想いを沸き立たせ、訪中せねば為らない理由が無理矢理、造り出されて旅の計画が立てさせられるのである。
  「中国触れ合い街歩き」を楽しむ舞台は何処の街とは限らないが上海が多い。我が家から中国に入るには上海浦東国際空港中国での第一歩を標さねば為らない。中部国際空港(セントレア)から来た人々は此処で入国審査を終え、飛機搭乗チェックインの時に預けた鞄を貰って税関検閲を通り抜けて中国国内航空に乗り換える。或いはリニアモーターカー(磁気浮車)や地下鉄、タクシー、出迎えの車やマイクロバスで市内に移動して火車{汽車}や公共汽車{乗り合い長距離バス}に乗り換えて中国の各地に向かう。或る人は市内のホテルに中国旅行の初夜を過ごすのである。帰国の際には中国